経済知力は大きく分けて知識と知力の2つの領域により構成されます。知識はさらに3つの要素に、知力は2つの要素に分かれます。これが有機的に結びついて経済知力が形成されます。この5つの構成要素こそ経済知力を測る評価軸ということになります。


- それを知らないと経済現象が正しく理解できず、また日常の仕事の遂行にも支障をきたすような、基本的かつ普遍的な経済・経営知識のことをいいます。たとえば、株式会社の成り立ちや基本的な決算用語などを知らなければ、TVや新聞で経済問題を伝えていても、何だか分からないはずで、こうした種類の知識が「基礎知識」に該当します。

- 現在の経営環境がどうなっているか、あるいはその経営環境への対応として、企業が実際にどのような戦略を講じたか、また、その結果としてどんな決算となったかなど、実践性の高い経済・経営知識を示します。基礎知識が普遍性のある知識であるのに対し、新聞記事などのように、より現在性(流行性)の高い知識ということができます。

- 経済活動は政治や社会全体の動きと密接につながっており、一見すると経済と直接に関係しないと思えることであっても、実際には経済活動と深くつながっている場合が多々あります。経済知力における「視野の広さ」とは、通常は経済カテゴリーの知識とはとらえられないものの、ビジネス活動に携わる者として知っておくことが望ましい知識のことを示しています。

- すぐれたビジネスパーソンは、日常体験やメディアを通じて得た知識を、ビジネス上の判断に活用できる「知恵」へと変換する能力を持っています。「経済知力とは何か」で紹介した新製品開発のケースに即していうと、「知識ストックから、消費トレンドやヒット法則などを見出す力」がこれに相当します。いわば、事象から一般的な共通性や法則性を見出す力であり、論理学における「帰納(Induction)」に近いといえます。

- 保有している知識や知恵を活用して、物事の因果関係を把握したり、適切な状況判断をしたりする力のことをいいます。一般的原理から特殊な原理や事実を導くという点で、論理学における「演繹(Deduction)」に近いと言えますが、トレンドから新商品のアイデアを生み出す「発想力」など、よりダイナミックな知力としても想定しています。
